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1)現状の多くの駅で、視覚案内や音声案内は、よりわかりやすくなるように改良を重ねてきているが、特に高齢者を意識して改良された事例はあまりみられない。
2)前記に推測した高齢者の困惑や要望は、高齢者特有の情報ニーズとして捉えることができる。
3)「視覚の衰え」や「判断力の衰え」に起因する情報ニーズから、
a. 視覚案内の表現方法における性能向上
の検討が必要と考えられる。
4)「聴覚の衰え」に起因する情報ニーズから、
a. 音声案内の伝達方法における性能向上
の検討が必要と考えられる。
5)「脚力の衰え」に起因する情報ニーズから、
a. 視覚案内の情報内容の充実
の検討が必要と考えられる。
6)「記憶力の衰え」に起因する情報ニーズから、
a.視覚案内の対象を、ある程度状況を理解している通勤者ではなく、初めての来訪者として設定すること。
b.視覚案内の内容を、なるべく永く言い慣らされている「語句」で構成すること。
の検討が必要と考えられる。
7)「体力や気力の衰え」に起因する情報ニーズから、
a.視覚案内が、表現方法や掲出位置において、よりわかりやすいシステムとして完成すること。の検討が必要と考えられる。
8)「瞬発力の衰え」に起因する情報ニーズから、
a.情報伝達における表現内容と表現時間の関係を改めて見直すこと。
の検討が必要と考えられる。
9)「気おくれ」や「遠慮」に起因する情報ニーズから、
a. 高齢者本人が「やさしさ」を実感できるサービス。
の検討が必要と考えられる。

 

5-3 対応の方向性についての考察
1. 設備的な対応における留意点
1)高齢者に対応する案内様式は、
a.ビジュアル・サイン
b.電子式表示装置
c.音声案内
の3種で、情報提供システムを構築する必要がある。

 

 

 

 

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